建設業の方から、ご質問を受けることが多いことの一つに、
「この支払いは、外注費なのか、給与なのか?」と聞かれることがあります。
でも、本当のところは、「この支払いは、外注費で処理したいんですけど・・・」
ということなんだと思います。
外注費と給与では、取り扱いが全く違います。
勉強されている社長さんなら、外注費として処理したいところです。
では、どんな点が違うのか。
1.給与と判断されてしまうと、その方の給与から源泉所得税を差し引いて支給することになります。
年末にもなると、その方の年末調整を会社ですることになります。
2.その会社が、消費税を納めておられる場合は、給与だと、消費税の計算上、経費になりません。(「不課税」といいます。)
その反対で、外注費だと、消費税の計算上、経費になります。(「課税仕入れ」)といいます。
同額の支払いでも、給与とするより、外注で処理したほうが、消費税は減額されます。
3.給与だと、その方の社会保険を会社は負担しなければいけません。
一方、外注費だと会社にはその負担は生じません。
ここまで、お読みになられた方も、
どうして、給与より外注費で処理した方がいいのかお分かりになられたのではないでしょうか?
消費税が、8%から10%へ
さらに、インボイスも導入される可能性が大きい
さらにさらに、年々、負担が増していく社会保険料
会社の資金繰りのことなどを考えたら、
給与より外注費にしたいところです。
でも、
会社が外注費として処理したい(上のようなメリットを受けたい)から
という会社都合の判断で、外注費で処理することはできません。
処理するときには、
その支払いが、
雇用関係によるものなのか、
業務委託によるものか、
しっかりと事実を確認する必要があります。
そもそも、雇用しているような働き方をしているから、
「外注費で処理してもいいですよね?」
というような質問があるんだと思うんです。
税務調査で否認されてしまっては元も子もありませんから。
次回は、どんな場合に、給与と認定されてしまうのか
紹介したいと思います。
今日は、ここまで。
税理士法人みらいサクシード
代表税理士 小林花代
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